- ――試写をご覧になって、率直な感想は？
- 福山 とても濃い作品になってるな、と感じました。観ている最中は、スクリーンを観ているだけでいっぱいいっぱいというか。一度、掴まれてしまうと、時間がまったく気にならない。観客の気持ちを離さないフィルムになっているな、と思いました。手前味噌ではあるんですが、すごく面白かったです。
- ――福山さんは、どのシーンで気持ちを掴まれたんでしょうか？
- 福山 完全に掴まれたのは、ミズノとマリノのエピソードですね。あのあたりは、テレビシリーズのなかでも雰囲気が違うところなんですけど、今回の劇場版でのまとめ方が、個人的にはすごく重要な気がして……。ぐっとスクリーンに入り込むような感じがあったんです。もちろん、そこまでもバラエティに富んだ映像になってるんですけど、ミズノたちのエピソードに入ってからは、食い入るように観てしまいましたね。
- ――確かにドラマの力を感じるところですね。
- 福山 あと、最初の方で戦闘シーンをバババっと矢継ぎ早に編集して繋いでるところが、大好きなんですよ。個人的に「細かいところは気にするな」みたいな作りが、本当に好きで（笑）。日本のアニメって、どうしても隅々までちゃんとやろうとしてしまうんだけど、本当は大筋が大切なわけで。タクトとスガタとワコ、あと四方の巫女のエピソードが真ん中にあって、そこを大切に作っているのがよくわかる。遊びの部分もあれば――さっき話したミズノたちのシーンのような、シリアスな部分もあって、そのコントラストがはっきりしてる。それがこの２時間半のなかにギュッと詰まっていて、本当に「スゴイな」って思いました。
- ――では、最後に「ここを観ると楽しい！」というポイントを教えてください。
- 福山 音楽シーンなんかにも、小ネタがいっぱい詰まっていて、重箱の隅を突こうと思えばいくらでも突ける作品になっていると思いますね。これまで『スタードライバー』を知らなかった人ほど、純粋に楽しめる。そして知っている人にとっては、自分がそれぞれ作品のどこを観ていたのか、再確認できるような劇場版になっていると思います。あと、キャラクターたちのファッションにも注目してほしいですね。特に、タクトが着ている新作パートで着ている、胸に「スタードライバー」のマークが入ってるジャージ。あれって、商品化されないんですかね？（笑）
